さて、いよいよ本題「楽農生活」のインタビュー。
60歳の退職まであと2年の頃、阪神・淡路大震災が神戸を襲った。1年先送りの退職金前借りで壊れた自宅を建て直す。
地面が激しく揺れ、まさに家が崩れたとき、庭にあった一本のどんぐりの木が家の倒壊を抑えてくれた、死ななくてすんだ。近所の方々のおかげで瓦礫から救い出されたときにはその運に感謝したが、後で気がついたことは、自分たちを助けてくれたのは、家が倒れかかっても耐えてくれたどんぐりの木であって、そこにある自然の大きな力だったということ。漠然とした自然への畏敬のなか、新しく建てる家に約25平米の屋上を確保して、自分で植物を育て、花や野菜でいっぱいにしたいと思った。
あれから10年余り。今では自分のなかに、自然を少しでも守りたい、昆虫もどんどん少なくなってきた、自分たちの子供たちにもっと土のある大地と自然の恵みを残したい、という自然保護の気持ちと、土を残すために自分ができることは少しでも田畑を耕し守ること、という農への気持ちがあふれていて、さまざまな楽農活動、社会活動に精を出す。
「農」に近づいたきっかけは6年前に奥さんと二人でふるさと村の会員になり神崎郡市川町でボランティアをしたことから。2年近く小豆の選別を手伝い、また リンゴ園のオーナーになった。